【完】素直になれよ。
紗希の声なんて
今の私には頭に入っていなくて
そのまま
目の前の料理が冷めるまで
私は織川への嫌味を言い続けた。
「どう?スッキリした?」
「...まぁね」
言いたいだけ言いまくり、
のどが渇いて水を口の中に流し込んだ。
「ね、衿華。」
「ん?」
「さっきから織川くんって子のことばっかり話してるよね~」
「...そうだけど、なに?」
「べっつに~」
わざとらしく視線をそらす紗希に
私は首をかしげた。
「あっ、料理冷めてんじゃん」