友よ
「ただいまー」

誰もいない部屋に響き渡る声。
彼女が出迎えてくれた時期もあったが、意見が合わず最終的に喧嘩別れになった。

都会の空気を吸って育った人とは波長が合わないらしく、友と呼べる相手は6年間、1人もできなかった。

おかげで、色々集中でき成績は群を抜いていた。
こっちに来てから携帯を始めて持ったりもしたが、友達ができなかったからほとんど使っていない。

電話帳を開くと教授と研究室の同士と前の彼女数名の名前があるだけだ。
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