友よ
「着きましたよ」

運転士の声が時計を眺めていた昭人の意識を現実に引き戻した。

五千円を渡すとすぐに車から飛び下りた。

「あ、お客さんお釣!」

運転士の呼び止めを無視して駅へ駆け込む。
改札をくぐって、階段をかけ降りる。

予定の時間にギリギリ間に合った。

息を整えて辺りを見回す。電車待ちの人が見当たらない。
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