友よ
女の子の表情の意味が理解できず昭人は固まった。

「ん?どうしたの?」

亜美が心配そうに顔を覗き込んでくる。

女の子が近付いて来た。近付くに連れハッキリする輪郭。

雲が晴れた様にクリアになる記憶。

「昭人さん…ですよね?」

確信。女の子は、間違いなく礼。

軽く頷いて見せる昭人。

「おかえりなさい」

キラキラ目を輝かせる礼の頬には、一筋の雫が流れていた。
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