【完】麗しの姫君


「前の、テーブル…」


「そうそう。ほら、あの眼鏡の人の隣の…」


「眼鏡のとな、り…」


えーと、あのちょっと派手な女子の中心にいるのね…


「あ、いた…」


「見つけた?かっこいいでしょ?」


「………」


「「………姫?」」


「…瀬菜、あの眼鏡の人、誰?」


「え、眼鏡?あの人は…香坂陸先輩だけど…」


「香坂、陸…」


「まさかのまさか、王子の周りに興味を持ったのね?」


「いやいやいや、周りって言ったって、香坂先輩もレベル高いんだから」


「そうなの?」


「うん。そりゃあ王子様の次に」


「…そうだったの?私たち全然知らなかったけど」


「だって、瀬菜も姫も全然興味無かったじゃん」


「それは確かに」


「でしょ?…ていうか姫、見つめ過ぎ」


「………」


「聞いてないし」


「無駄じゃない?こうなるとなにも入らないわよきっと」


「それはそうだ」


「でも、姫が眼鏡に惹かれるとは…」


「ちょっと、眼鏡って、呼び方おかしいでしょ」


「別にいいんじゃない?本人に聞かれなきゃ」


「……それを言われると…まぁ、そうなんだけど」


「あ、」


「「あ?…どうした、姫」」


「こっちに来てる」


「は?」


「え⁈」

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