【完】麗しの姫君


王子様を探していたのに、私には隣りにいた香坂先輩が王子様に見えた。


なんでだろう。


すごくすごく、興味がある。


そこらにいる男子の眼鏡姿なんて、眼鏡に謝れ馬鹿って思ってたけど、香坂先輩は違う。


生まれて初めてパパ以外の眼鏡男子を素敵だと思った。


隣の王子様はもう一人の可愛い系の男子と、周りを囲む派手な女子達と喋ってるけれど、香坂先輩は見向きもせずに紅茶を飲んで涼しい顔で本を読んでる。


ますます面白いなぁ。


本当になんで、だろう。


パパとも全然違うタイプなのに。


まぁでも、なんの接点も無いし、恵斗に頼るのもなんか嫌だし。


見てるだけでいいや。


頑張るのもめんどくさいし。


やっぱりパパが1番だし。


うんうん。


…あ、香坂先輩が席を立った。


と思ったらこっちへ向かって来る。


そうすれば残りの二人もこっちへ来る。


「…あ、」


香坂先輩が、私のこと見て、る?


まさかね?


「「あ?…どうした、姫?」」


香坂先輩が、


「こっちに来てる」


「は?」


「え⁈」

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