【完】麗しの姫君
「はぁ…」
疲れた、疲れた疲れた疲れた。
あれからずっと、あの気まずい、どうしたらいいのか全然わからないんですけど状態が続いて、
結局、香坂先輩が本を読み終わって
『俺、戻るわ』
の一言で解散。
……なんっじゃそりゃ!
あー、パパに会いたい。
パパに会って癒されたいー。
やっぱり私はパパだけ。
王子様なんていらないわ。
瀬菜と恵斗はあっさり迎えが来て帰っちゃうし。
私の迎えはまだなのかー
遅いのよー!ワタリドリー!
ピリリリリ、ピリリリリ
「……もしもしーワタリドリー、まだー?うん、え?えー?……わかったぁ、うん、いいよー、大丈夫。はいはい、気を付けて帰りますよー、じゃあねー」
なんでなの、なんでタイヤが三つもパンクするの。
一体なに踏んづけたの。
しょうがないんだけど、電車で帰れるからいいんだけど。
もっと早くわかれば瀬菜か恵斗に送ってもらえたのに。
今日は疲れてるから、早く帰りたかった…。
「しゅん」