【完】麗しの姫君
大魔王の話なんてどうでもいいの。
それより、さっきから気になるのが
「……なんで、皆私のこと見てるの」
そう、瀬菜達と話してる今も、クラスメイトの視線を感じる。
いや、別に嫌な視線とかじゃないんだけど。
「あぁ、…そりゃそうでしょう」
「なにがそうなの?」
瀬菜、そんなんじゃわからないよ。
「…いつも男を虫けら見るような目で流してた姫が、高等部の王子の1人とランチなんて、……興味あるにきまってるじゃない」
「…………」
なに、それ。
私が男子とランチがそんなに珍しい?
なら、もしかしてのもしかして、奇跡が起きたとして、彼氏が出来たらどうなるの?
「…………めんどくせー」
「…ごめん、どこからその言葉に繋がったのか、私には姫の頭の中が把握出来ないわ」
「……私は動物園のパンダじゃないの!」
「…あー、はいはい、そういうことね。怒らないの。姫ちゃん」
「……なんなのーその扱い」
「え?…落ち着くかなぁと思って」
「…瀬菜ムカつく」
「はいはい。いつまでも反抗期でちゅねー。……てか恵斗、あんたはいつまで唸ってるのよ」
「王子様が大魔王、王子様が大魔王、大魔王…」
「「馬鹿だ」」