【完】麗しの姫君


コンコン、


「…姫ちゃん?朝だよ、ご飯も出来てるよ」


そう言って優しく声をかけてくれるけれど、私はベッドに潜り込んで、パパが部屋へ入ってくるのを待つの。


カチャ


「…姫ちゃん?…体調悪い?」


そう言ってそっと部屋に入って来て、私のベッドに腰かけて、優しく頭を撫でてくれる。


パパの温かくて、優しい手が大好き。


ずっと撫でていて欲しいんだけど、でも、そろそろ起きないと遅刻しそう。


ふにゅーっと、ふとんから顔を出して、パパを見上げる。


「…おはよう。パパ」


「おはよう。姫ちゃん」


若くてかっこいいパパ。


いつまでもキラキラ輝いていて、私の1番の理想の王子様。


会社でもモテモテなのわかってるんだからー。


「…姫ちゃん、そろそろ起きないと遅刻しちゃうよ?」


「…わ、わわわ、本当だ!」


「くすくすくす、…大丈夫、落ち着いて、今日はパパが送ってあげるから」


「本当?ありがとう!」


「はい。…さ、起きて着替えて。ご飯食べよう」


「うんっ」


これが、毎朝の光景。


私がパパにこうして起こしてもらいたいのは、パパはわかってる。


でも、毎朝付き合ってくれる。


そんな優しいパパが大好き。


世界で1番大好き。

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