【完】麗しの姫君


ガチャン


すごい早さで連れて来られたのは、生徒会室。


…わぁ、初めて来た。


豪華だなー。


「そこ、座って」


「あ、はい」


1人用のソファーに私を促す先輩。


そこに座って、先輩はどこへ座るのかと思っていると。


「へ?」


「なに」


なにって、なんで、ここ?


私の目の前に膝をついて、肘掛に両手を置いて、完全に私の逃げ場をふさいだぞこの人。


しかも、


「あの、…近いと、思います」


距離が。


「そう?」


とぼけないでー!


とにかく、早くこの危機を乗り越えないと。


「あの、あの、…ご用はなんでございましょうか」


この際話し方がどうとかどうでもいい。


「…わからない?…俺は、わかってるもんだと、思ってたけどね」


「な、なんのこと…」


「ほぅ、あくまでも、言わないつもり?」


「言わないもなにも、」


だって、だって、


「…先輩だって、なんにも言ってくれないじゃない!」


…女は度胸だ、こんにゃろー!


…言ってやる!

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