【完】麗しの姫君


「…俺、が?」


「…言ってない。…なんで私に構うのかも、迷惑だって思ってるのも、勘違いされるのが面倒なのも、それならどうして言ってくれないのよ!」


「…え?なに、それ…」


「……しらばっくれるな!」


「………」


「ちょっと優しくしたからって、勘違いされるの迷惑?…婚約者がいるから、かき回されたくない?」


「………」


「…だったら、なんで私に近づいた!子供だと思ってからかったのか!…どうせ私は初恋もまだのお子ちゃまですけど!」


「………」


「…お伽話の王子様に恋してましたけど!」


「………」


「でも!でも、でも……っく」


「……姫?」


「…初めて、お伽話じゃない、…ひっく、恋、したと思ったのに…、先輩が、私の王子様だと思ったのに!」


「!!」


「あんなこと聞かされたら、どうしていいかわかんないし、…初めてなんだもん!どうすればいいのかなんて、全然わからないの!」


ねぇ、どうすればいいのか、教えてよ。

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