【完】麗しの姫君
私が通うのは、私立藤乃宮学園。
幼稚舎から始まって、大学院まで。
まぁ、一言で言えば金持ち学校。
そこに通う私も実はそこそこお金持ち。
パパはどこかの会社のお偉いさんらしいけれど、たいして興味は無し。
パパがどんなお仕事をしていようと、私はパパが好きだから。
けれど、この名門私立に通わせてもらえているのはそのお仕事のおかげなわけだから、感謝はもちろんしています。
なに不自由無く生活させてもらっているんだから、ちゃんと通わないといけない。
でもーでもーでもー
「はい、着きましたよ。姫ちゃん」
「えー、もう?」
「行きたくないの?」
「……せっかくのパパとのドライブだったのに」
「…それは短いドライブだったねぇ」
「しゅん」
(…口に出してるのわかってるのかなこの子は、可愛すぎるんだけど)
「……最近時間取れて無かったからね、パパも淋しいよ。……今度どこかへ出かけようか。スケジュール調整するように渡に言ってみるよ」
「…本当に?」
「うん。だから今日は頑張って行ってらっしゃい」
「うん…」
その約束は嬉しいんだけど、でも、パパと離れるのは淋しいの。