thermos flask
 日が暮れるのがだんだん早くなって、まだ6時なのに真っ暗だ。
 部室で制服に着替えてから、朝よりきつくマフラーを巻いて、学校を出た。着替えてる最中も、学校を出てからもずっと美咲の事を考えていた。

 あんな表情は初めて見た。身に覚えのない、自分がしたわけじゃないことを自分のせいにされて、復讐までされそうになったら、私だってあんな表情になるのかもしれない。



「あなた・・・松山さんよね?」



 聞きなれない声に、反応が少し遅れた。


 振り返ると、2年の学年章を付けた、小柄な女の先輩がいた。
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