ドメスティック・エマージェンシー
決心出来ない。
殺したいのに殺せない。
恐い。
私はどうなるのだろう。
この憎悪を、どうしたらいいのだろう――

解決策を提案しよう。
ゼロが私の頭に語り掛けてくる。
救いを乞いたくて、再び見上げると目は見開かれていた。
瞳がギラギラと輝き、子どもの無邪気な笑顔が脳裏に浮かんだ。

そうしてゼロは蜜を垂らした。
最後の、蜜を……

「お前はもう異常者や」


目を開くと、見慣れた少し汚れてる天井が目に付いた。
ついでに光が瞳の奥へ射し込んでくる。
遮断したくて目を細めると、さっきの場所よりも鮮明なことに気付いた。

「そうか……さっきのは、夢……」

起きてすぐに気付かなかったのは、あまりにもリアリティーだったからだろう。

汗で服が肌にまとわりつく。
苦しいくらいに、まとわりついた。






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