ドメスティック・エマージェンシー
「あの、何で私に話す気に?」

聞いといて何だが一応秘密なのではないだろうか。
そう思い、問い掛けると糸部はいたずらっ子のように笑った。

「僕は警察じゃないよ。それに……君たち姉弟が初めてなんだ、生き残ったのは。みんな殺されているのに、君たちだけ生かされた。だから君たちになにかあるはずなんだ。なら、知っておいても良いだろうと思ってね」

私は言葉を無くした。
糸部は、私とゼロの間になにかがある、と疑っている。
彼の目は警察の目だった。

鋭く、突き刺すように、隠した本心を他人の中に無理やり入り込んでも暴いてやろうという目――







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