ドメスティック・エマージェンシー
第十八章
「どこにおったんや!」

ネットカフェの入り口で、ゼロが仁王立ちで待ちかまえていた。
言い訳のために買っておいた商品をちらつかせる。

「……品物次第で許したる」

言ってから私の手にある黒い袋を奪い取り、相変わらずのサングラスで視界が暗いであろうに必死に覗き込んでいる。
中身は漫画だ。

「おつまみ買ってんやろうな」

「はいはい」

もう片方の袋を掲げると口角を上げ「よし、帰るで」と先頭に立った。

……どうやら私がついて行ったことはバレていないらしい。
ゼロの背中を見て、ホッと一息をつく。

それにしても……なおから聞いたさっきの話を思い出した。






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