ドメスティック・エマージェンシー
音もなく静まり返る家に帰り、一直線に自室に向かう。
着替えるのも後回しに、パソコンを立ち上げ、SNSサイトに入った。
狙われたサイトじゃなく、私がいつも利用していたサイトだ。
目的は掲示板。
もしかしたら何か情報があるかもしれないと期待する。
「……あった」
あの殺人鬼を知ったトピックを見つけ、スクロールしていく。
まるで財宝を見つけた山賊のように目を輝かせ、鼓動が高鳴り、ニヤリと口元を緩めていたに違いない。
しかし次第に希望は萎んでいった。
何の情報もない。
思ったよりも、あの男は謎なのだろうか。
もしかしたら私と有馬があの殺人鬼によって初めて生かされた人物なのかもしれない。
そこまで考え、可笑しな行動をしている事に気付く。
フッと自嘲する。
あの男と私は金輪際関わることはない。
もう会うこともない。
何故、男を探るようなことをしているのだろうか。
ただの好奇心か。
はたまたあの男に会いたいのか。……否、それはない。
男の顔を思い出し、身震いする。
あんな奇妙な男に会いたい訳がない。
では、何故……
釈然としない思いを抱えながらパソコンを閉じたその刹那――ドアが乱暴に開かれた。
着替えるのも後回しに、パソコンを立ち上げ、SNSサイトに入った。
狙われたサイトじゃなく、私がいつも利用していたサイトだ。
目的は掲示板。
もしかしたら何か情報があるかもしれないと期待する。
「……あった」
あの殺人鬼を知ったトピックを見つけ、スクロールしていく。
まるで財宝を見つけた山賊のように目を輝かせ、鼓動が高鳴り、ニヤリと口元を緩めていたに違いない。
しかし次第に希望は萎んでいった。
何の情報もない。
思ったよりも、あの男は謎なのだろうか。
もしかしたら私と有馬があの殺人鬼によって初めて生かされた人物なのかもしれない。
そこまで考え、可笑しな行動をしている事に気付く。
フッと自嘲する。
あの男と私は金輪際関わることはない。
もう会うこともない。
何故、男を探るようなことをしているのだろうか。
ただの好奇心か。
はたまたあの男に会いたいのか。……否、それはない。
男の顔を思い出し、身震いする。
あんな奇妙な男に会いたい訳がない。
では、何故……
釈然としない思いを抱えながらパソコンを閉じたその刹那――ドアが乱暴に開かれた。