ドメスティック・エマージェンシー
「分かったわ。じゃあ、あと一つ。
どこにいるの?野宿なら、来る?お金がないなら迎えに……」

「大丈夫だよ、おばあちゃん」

次々と提案していくのを、私は宥めるように制した。

久しぶりに会いたいのは確かだ。
だが、私にはあの男の誘いをどうするか決めなきゃならない務めがある。
私はまだここにいなきゃいけない。
離れる訳にはいかない。

「友達の家に泊めてもらってるの。だから、安心して。……って、あの人たちにも伝えてくれると助かる」

さすがにもう警察に追跡されるのは勘弁だ。

思い出して苦笑いしていると、祖母がクスクスと笑って、分かったわ、と返事してくれた。
やはりこの人に話して良かった、と安堵感に包み込まれた。







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