フシダラナヒト【TABOO】
*
「ゆーちゃん!」
下校中に近所の公園のブランコから呼ばれ、驚いて駆け寄る。
「史くん、ママは?」
「ウチ」
「一人で来ていいって言われた?」
史くんはうつむいて黙る。
さては勝手に出てきたな。
「ダメでしょ」
「……ゆーちゃんだって。オレいいって言ってない」
確かに。人のこと言えない。朝のこと怒って待ち伏せていたのなら、私に彼を責める資格はない。
「そうだね。ごめんね」
「あしたは? オレといく?」
明日も彼氏と約束がある。
「ごめんね」
史くんは黙り込み、ブランコをギーギーいわせて強くこぎ始めた。
昨日みたいに駄々をこねると思っていたのに。
歯を食いしばった顔は見ていて切なかった。
「ゆーちゃん!」
下校中に近所の公園のブランコから呼ばれ、驚いて駆け寄る。
「史くん、ママは?」
「ウチ」
「一人で来ていいって言われた?」
史くんはうつむいて黙る。
さては勝手に出てきたな。
「ダメでしょ」
「……ゆーちゃんだって。オレいいって言ってない」
確かに。人のこと言えない。朝のこと怒って待ち伏せていたのなら、私に彼を責める資格はない。
「そうだね。ごめんね」
「あしたは? オレといく?」
明日も彼氏と約束がある。
「ごめんね」
史くんは黙り込み、ブランコをギーギーいわせて強くこぎ始めた。
昨日みたいに駄々をこねると思っていたのに。
歯を食いしばった顔は見ていて切なかった。