フシダラナヒト【TABOO】
付き合う前は彼氏もこんなタイプだと思ってた。もの静かで優しそうで。でも違う。あれはただの無関心。きっと私が何してても気にしないんだ。
だから私も最初から気にせず隣で熱燗を飲めたんだけど。だから楽で離れられないんだけど。
結局私も、自らこのぬるま湯に浸かっているわけだ。
「物足りないって顔してる」
「え?」
草食系の瞳に見つめられてドキリとした。その強い視線にも鋭い言葉にも。
「足りないのはお酒?」
その言葉の後、耳元に近づいた顔。
“それとも男?”
一瞬の出来事。同時に頭に鳴り響くサイレン。
「あの、私……」
「物足りないんだったら付き合うよ」
それは、お酒に? それとも……。
だから私も最初から気にせず隣で熱燗を飲めたんだけど。だから楽で離れられないんだけど。
結局私も、自らこのぬるま湯に浸かっているわけだ。
「物足りないって顔してる」
「え?」
草食系の瞳に見つめられてドキリとした。その強い視線にも鋭い言葉にも。
「足りないのはお酒?」
その言葉の後、耳元に近づいた顔。
“それとも男?”
一瞬の出来事。同時に頭に鳴り響くサイレン。
「あの、私……」
「物足りないんだったら付き合うよ」
それは、お酒に? それとも……。