手紙 ~翔君へ~《TABOO「図書館で…」》
裏の並木道は雪に被われていて、三人でした雪合戦を思いだしました。
翔君は手加減してくれなくて、私の顔に雪玉が命中して大泣きしちゃったこと覚えてますか?
そんなの忘れたって言うかな?
瀬名君は覚えていました。私の顔をタオルで拭ってくれたことも。
彼が言ってました。俺はいつもそういう役回りだったって。
あの頃、翔君に泣かされる度に瀬名君に慰めてもらってた私。
翔君、知らなかったでしょ?