King of Dragon -龍王-
「それでは、本当にありがとうござい……」
その言葉と同時に、ドアに手をかけた瞬間。
―――バンッ
勢いよく扉が開かれた。
そこに、隣家の中年男が立っている。
「ウィル、話は聞かせてもらった。共に村長の家へ来てもらおう」
「……」
ウィルが面倒くさそうに立ち上がったのを見て、驚いて呆然と見ていたユリアが慌てて口を開いた。
「え……!? どういう事ですか!?」
「あんたが気にする事じゃない。早く行け」
「何を言っている。女、お前も来るんだ」
ユリアを外に追いやろうとしたウィルの言葉を遮るように、中年男が言う。
ウィルは小さく舌打ちすると、ユリアに謝った。
「……悪いな」
「え!? い、いえ、そんな」
そのまま、2人は村長の家へと連れられた。