King of Dragon -龍王-
村長は2人が前に立った後、交互にその顔を見遣ってから話し始める。
「ウィルダム=フィースト。本日の演説を聞いていたな?」
「…………」
ウィルは無言で冷たい視線を送るだけだ。
それを村長は鼻で笑うと、
「やはりお前はあいつの子供か」
そう呟いた。
「女、お前が神の予言を受けた巫女というのは本当だな」
「…………っ」
ユリアは顔を真っ青にして、どうしようかと迷ったようだった。
「クク。嘘はろくなことにならんぞ」
その言葉に小さく肩を揺らし、渋々頷く。
それを見て、村長は満足そうに頷いた。
「ウィル。お前は村民全ての意志に反する行為を行った。これは我等に対する裏切りだ。
処刑、と言いたいところだが……お前の祖先がこの村を作ったときの功績は大きい。」
村長はそう淡々と告げていき、それから声高に。
「その女を連れてこの村から出ていけ。明日までにだ」
そう宣言した。