King of Dragon -龍王-
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あれから、反論の余地も許されないまま、2人はウィルの家に戻ってきた。
「申し訳ありません!恩を仇で返すようなことを」
土下座しそうな勢いで謝罪するユリアに、ウィルはやれやれと息を吐く。
「……正直なところ、あんたはこの罰に関与していないから気を落とさなくて良い」
「そんなはず……!」
「俺は最初から追放を望まれていた」
泣きそうになって言うユリアの言葉を遮って、ウィルが言葉を続けていった。
「俺の父親は血の気が多くてな。村人と喧嘩し暴力を奮い、怒鳴り散らすような男だった。
俺たち家族には追放の声が挙げられていたが、この村を作ったのは俺の祖先」
「……その業績があったせいで俺たちを追い出せなかった。だが、父が亡き今だからこそ、お前を利用して俺を追い出した。
お前は良いように使われたんだよ。悪かったな」
「そ、そんな……」
淡々と告げて、まとめた荷物を持ちあげて立ち上がった。