King of Dragon -龍王-
「……というわけだから。重ね重ね悪いが、勝手にあんたに同行させてもらう」
「え?」
「目的もないまま彷徨うのは、つまらない。やはり迷惑か?」
「い、いえ! 私は、むしろ嬉しいんですけど、」
ウィルの淡白さに呆気にとられていたユリアは、突然の申し出にコクコクと何度も頷いた。
「そうか、ありがとう。じゃあ明日の朝起きてすぐ、この村を出る。隣の客室があるから使ってくれ」
「あ、ありがとうございます」
また必要最低限の事だけを言って、ウィルは布団に入っていく。
それを見て、ユリアも隣の部屋に向かった。