King of Dragon -龍王-
―――

「おはようございます」


次の日、夜明けと共にのそりと起き上がったウィルに、ユリアがすかさず挨拶をする。



「……早いね」


「は、はい」


「眠れなかった?」


「……」

「……聞くまでもないか」

他人の家で緊張したのか、クマが出来ているユリアの顔から眼を逸らし、ウィルは大きく伸びをした。


「……さて、と」

そのまま居間に歩いていき、ウィルは立てかけられた剣に手を伸ばす。


とても大きな両手剣だ。


「それ、は?」

「俺の武器。これでも元華族だから、ある程度は嗜んでる」

ウィルが剣を振るうと、それはブン、と大げさな音を立てた。
< 17 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop