King of Dragon -龍王-
――


暫くして、ウィルが戻ってきた。


「……」

ウィルは何も言わず自分とユリアの荷物を持ち上げ、歩き出す。

ユリアは慌てて立ち上がりその後を追った。


「あ、あの……あれ?」


首を傾げるユリアに、ウィルは視線だけ向けて先を促す。

ユリアは、ウィルの手を指さして言った。

「手、怪我してます」


「は? ……ああ」


よく見ると、ウィルの手の甲に赤い血。

ウィルはやっと気が付いた、とでも言いそうな反応をした。

< 23 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop