King of Dragon -龍王-
ウィルは演説を眺めていたが、しばらくすると興味なさげにその場を後にした。
ウィルが向かう先には、海が広がっている。
「―-くだらない。本当に」
視界に入る青を眺め、ウィルはポツリと呟いた。
そのまま砂浜を散歩していると、そこに何かの塊がある。
「……!?」
じっと見れば、それは海藻をたくさん巻きつけた状態で倒れている人間。
ウィルは駆け寄って肩を揺すった。
海藻をどけてみると、同い年くらいの少女だ。
ダークブラウンの髪が腰辺りまで伸びている。
「う……」
少女は唸り声をあげた後、咳き込む。
生きているのを確認して、ウィルは少女を自分の家に連れて行った。
――――