黄金時間が過ぎるまで
第三話 〜最上階の踊り場で〜
授業が終わると教科書をカバンにしまい、放課後の図書室へと向かうのが、千歳さつきの日課だった。
図書室の窓際には、個人用机が二列に並んで置かれ、千歳はいつもの席に着くと外を眺めた。
一番上の階にある図書室からは、この辺り一帯に広がる田んぼが見渡せ、帰宅する生徒の姿が点々と見えた。
窓を少し開けて、カバンの中から読みかけの小説を取り出すと、読みはじめた。
いつの間にか、雨が降り出していた。ふと顔を上げて外を見ると真っ暗だった…
「6時か…」
時計に目をやり、一つ伸びをすると帰る事にした。
廊下に出ると、シーンと静まり返っていて、生徒のいる気配はなかった…
千歳は、こういう感じが好きだった。
誰もいない学校に、一人でいるんだなぁ…という感覚…
階段を下りはじめた時、人の声を聞いた気がして足を止めた。
「?」
不思議に思いながら、耳に神経を集中していると、やっぱり聞こえてくる…
誰かが、まだ残っている…
ふと興味がわいて、声のする方へ向きを変えた。
最上階の踊り場へ…
図書室の窓際には、個人用机が二列に並んで置かれ、千歳はいつもの席に着くと外を眺めた。
一番上の階にある図書室からは、この辺り一帯に広がる田んぼが見渡せ、帰宅する生徒の姿が点々と見えた。
窓を少し開けて、カバンの中から読みかけの小説を取り出すと、読みはじめた。
いつの間にか、雨が降り出していた。ふと顔を上げて外を見ると真っ暗だった…
「6時か…」
時計に目をやり、一つ伸びをすると帰る事にした。
廊下に出ると、シーンと静まり返っていて、生徒のいる気配はなかった…
千歳は、こういう感じが好きだった。
誰もいない学校に、一人でいるんだなぁ…という感覚…
階段を下りはじめた時、人の声を聞いた気がして足を止めた。
「?」
不思議に思いながら、耳に神経を集中していると、やっぱり聞こえてくる…
誰かが、まだ残っている…
ふと興味がわいて、声のする方へ向きを変えた。
最上階の踊り場へ…