黄金時間が過ぎるまで
「うん…職員室に良く出入りしている猫で…シロって言うんだけど…見えた?」

千歳は首を左右にふった。そして納得するように、うんうんとうなずくと言った…

「あのウワサは、本当だったって事か…」

「へ?」

″霊能者か、精神病者か…どっちだろう…?″



「え?そんな風に、ウワサされてるの?まずいな…目立ちたくないのに…」

千歳が鳴海に関してのウワサについて説明すると、そんな事を口にした。            

「で、どっち?」

「…一応、前者です」

「それ、私にバレてもいいの?」

「…う〜ん、いろいろあるからね、いずれバレると思うし」

「?」

「まぁそれより、これから職員室でも偵察に行きません?」

鳴海は楽しげに微笑した。



「あ、いたいた、学年主任の平松先生」

「平松先生かぁ…なるほど」

鳴海と千歳は、社会科室の窓に寄りかかりながら、正面に位置する職員室を観察していた。
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