黄金時間が過ぎるまで
二人の教師の声が、すぐ近くで聞こえた…職員室へ入って来たようだ。

「隠れよう」

千歳はあわてて机を指すと、下にもぐり込み″ガツン″と鈍い音とともに姿が消えた…

変に思い鳴海が近寄ると、千歳が気を失って倒れていた。

良く見ると、おでこが赤い…

「…もしかして強打したの?千歳さん…」

あわてて鳴海は千歳を抱き起こすと、静かに机の下に隠れた。

″…肩のふるえが止まらなくて困るじゃない、千歳さん…″



「…さん、千歳さん…朝ですよ〜遅刻ですよ〜ゴハンですよ〜…」

小さな声が頭の上で聞こえてくる…

千歳がボンヤリ目を開けると、鳴海がのぞき込んでいた。

「あ、起きた…ゴハンのところで…」

「〜あのね〜」

反論しようとして、しゃべろうとすると、千歳は自分のおでこが、ズッキズッキしている事に気づいた。

「…もしかして気、失ってた?」

「もしかしなくても…です」

「情けない…すみません、お手数かけて」

「いやいや、貸しにしときましょう…ところで今の状況知りたくない?」
< 24 / 81 >

この作品をシェア

pagetop