黄金時間が過ぎるまで
「んで、お願いがあるんだけど、レポート出してくれると嬉しいんだけどなぁ…」

「はいはい…さっきの借りを返しますとも」

「ありがとう…ついでに放課後、荷物とか屋上の踊り場まで持って来てくれない?」

「…戻って来るの?」

「そーゆー事」

そこで予鈴が鳴った。

「じゃ、行くね、また後で」

手をふると、鳴海は生徒会室を出て、どこかへ行ってしまった。

″いったい何をしに行ったんだろう…?″

授業開始のチャイムが鳴り出した。

千歳は走りながら社会科室へ向かう途中、ふと思いつき、

「あれ?もしかして…」

″あれか…なるほど…″

千歳は放課後を待ちどうしく感じた。
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