黄金時間が過ぎるまで
第六話 〜鳴海の兄は見える人〜
「…ねぇ鳴海」
寝不足気味の顔でふり向くと、千歳は後ろの席の主に話しかけた。
放課後の教室…いつもの二人の他には、誰も居残っていない。
千歳と鳴海は何をする訳でもなく、放課後の時間を楽しんでいた。
千歳の方は、たまに小説を読んでいたりもしてるが、二人とも他愛のない話しをしている事が、ほとんどだった。
「何?」
ボンヤリと、頬杖をついていた鳴海が無表情に答えた。
「金縛りって、なった事ある?」
「…あるよ」
「そっか…実はさ、昨日それのせいで、ほとんど寝かせてもらえなくて…そうゆーのってある?」
「…なくもないけど」
「あれって、どうしたらいいのかなぁ」
「困るね…昔、兄が言っていたような気がするな…」
「お兄さん?お兄さんも霊感強いの?」
「うん…かなりね、うちの母方の家系が強いらしいよ」
「なるほど…」
「自分は…兄ほどじゃないけどね」
…猫の霊と話せるだけでも、充分だと思うけど…と千歳は心の中で突っ込みを入れた。
寝不足気味の顔でふり向くと、千歳は後ろの席の主に話しかけた。
放課後の教室…いつもの二人の他には、誰も居残っていない。
千歳と鳴海は何をする訳でもなく、放課後の時間を楽しんでいた。
千歳の方は、たまに小説を読んでいたりもしてるが、二人とも他愛のない話しをしている事が、ほとんどだった。
「何?」
ボンヤリと、頬杖をついていた鳴海が無表情に答えた。
「金縛りって、なった事ある?」
「…あるよ」
「そっか…実はさ、昨日それのせいで、ほとんど寝かせてもらえなくて…そうゆーのってある?」
「…なくもないけど」
「あれって、どうしたらいいのかなぁ」
「困るね…昔、兄が言っていたような気がするな…」
「お兄さん?お兄さんも霊感強いの?」
「うん…かなりね、うちの母方の家系が強いらしいよ」
「なるほど…」
「自分は…兄ほどじゃないけどね」
…猫の霊と話せるだけでも、充分だと思うけど…と千歳は心の中で突っ込みを入れた。