黄金時間が過ぎるまで
お酒しか、そのバックからは出てこないのだろうか?と思っていると今度は、おつまみがエトセトラ…スルメに、チーズに、サラミと出てくる出てくる…

「な、鳴海、これはいったい、えーっと何から聞いたら良いのやら…」

「まーまー、細かい事は気にしない。それより、はじまるよ…」

辺りを見渡すと、いつの間にか日は沈み、ネイビーブルーの空に変わっていた。

地平線の方は、まだ明るい…

「いったい何が、はじまるの…」

と言いかけた時、それは突然はじまった。

″ヒューーールルルル・ドン・パパパパ…″

空中に響き渡る花火の音と光が、視界に飛び込んで来た。

ドンという音が腹に響き…大きな火の花が夜空に咲いては、消えていく…

ポカンと口を開けて、千歳は長い事それに見とれていた…

″プシュッ″という音が隣でして、見ると鳴海が缶ビールのリングプルを開けて、千歳を見ていた…

ニコニコと笑顔で促され…つられて千歳もカクテルのフタを開けた。
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