黄金時間が過ぎるまで
第二話 〜この場所から見た時に〜
放課後を告げるチャイムが鳴り響いた…
ここは清音高校、三年F組の教室。
人影は日直の二人を残すだけで、教室は静まり返っていた。
運動部の活動しているざわめきが、窓ガラス越しに聞こえてくる…
春の柔らかな日差しをボンヤリと眺めながら、戸じまりをしていた鳴海は、日誌をつけているもう一人の日直に声をかけた。
「こっちは終わったけど、手伝おうか?」
「あ、ありがとう」
その生徒は日誌を書く手を止め、隣の席に座った鳴海の方を見た。
「えっと…鳴海君だっけ…今日の出来事、何かないかなぁ…」
「…あれは?」
「え?」
「女子が教室で、さわいでたでしょ?」
「ああ、あれか、いいかも…」
このクラスになって初めて日直が回ってきたのは、四月も終わりの頃だった。
お互いに顔は知っている程度で、話した事はなかった。
「千歳さん、で、あれって何だったの?」
「あー…子猫が乱入して来てねー」
「ああ…なるほど…」
千歳は日誌に書き込みながら答えた。
ここは清音高校、三年F組の教室。
人影は日直の二人を残すだけで、教室は静まり返っていた。
運動部の活動しているざわめきが、窓ガラス越しに聞こえてくる…
春の柔らかな日差しをボンヤリと眺めながら、戸じまりをしていた鳴海は、日誌をつけているもう一人の日直に声をかけた。
「こっちは終わったけど、手伝おうか?」
「あ、ありがとう」
その生徒は日誌を書く手を止め、隣の席に座った鳴海の方を見た。
「えっと…鳴海君だっけ…今日の出来事、何かないかなぁ…」
「…あれは?」
「え?」
「女子が教室で、さわいでたでしょ?」
「ああ、あれか、いいかも…」
このクラスになって初めて日直が回ってきたのは、四月も終わりの頃だった。
お互いに顔は知っている程度で、話した事はなかった。
「千歳さん、で、あれって何だったの?」
「あー…子猫が乱入して来てねー」
「ああ…なるほど…」
千歳は日誌に書き込みながら答えた。