黄金時間が過ぎるまで
第十話 〜秋と冬との間には〜
放課後の校内を鳴海は一人歩いていた。
時々教室の中を楽しげにのぞいたり、手に持ったメモ用紙を眺めている…
中庭に出る扉を開くと、秋と冬の間特有の不思議な風が吹いていて、枯れ葉が宙にヒラヒラと舞っていた。
宝石のようにキラキラと輝いている青空を、まぶしそうに見上げながら鳴海は、その建物の角を曲がった。
「あ」
「やあ、千歳…」
鳴海は無表情に手を上げて、千歳に声をかけた。
「…何してるの?」
ふと、千歳の膝の上に乗っている、白いものに気づいて指差した。
「…ここに座っていたら、いつの間にかいたのよね」
千歳は膝の上でドカンと乗っている、白い猫の頭をなでた。
食堂の裏でひなたぼっこをしていたら、野良猫が寄って来たのだ…
鳴海は千歳の隣に腰かけ、食堂の壁に寄りかかると、フェンス越しに見える田んぼを見渡した。
稲刈りを終えた田んぼには、ワラが延々と干され、のどかな風景が続いている…
「…ところで千歳、これ君でしょう?」
ポケットから、先ほど眺めていたメモを出すと、ヒラヒラとさせた。
時々教室の中を楽しげにのぞいたり、手に持ったメモ用紙を眺めている…
中庭に出る扉を開くと、秋と冬の間特有の不思議な風が吹いていて、枯れ葉が宙にヒラヒラと舞っていた。
宝石のようにキラキラと輝いている青空を、まぶしそうに見上げながら鳴海は、その建物の角を曲がった。
「あ」
「やあ、千歳…」
鳴海は無表情に手を上げて、千歳に声をかけた。
「…何してるの?」
ふと、千歳の膝の上に乗っている、白いものに気づいて指差した。
「…ここに座っていたら、いつの間にかいたのよね」
千歳は膝の上でドカンと乗っている、白い猫の頭をなでた。
食堂の裏でひなたぼっこをしていたら、野良猫が寄って来たのだ…
鳴海は千歳の隣に腰かけ、食堂の壁に寄りかかると、フェンス越しに見える田んぼを見渡した。
稲刈りを終えた田んぼには、ワラが延々と干され、のどかな風景が続いている…
「…ところで千歳、これ君でしょう?」
ポケットから、先ほど眺めていたメモを出すと、ヒラヒラとさせた。