私はしがない執事です
二人の謎
コンコン、と部屋をノックし、返事がないけれど私は「入るよ?」と言いながら強行手段に出たのだった。
因みに新城さんは勿論床に放置したままである。
私が入って見ると、雅ちゃんはベッドの上にクッションを抱え、体操座りをしながらうずくまっていた。
「雅ちゃん…」
「妾は……妾は、新城が好きなのだ」
雅ちゃんは静かにポツリと呟いた。
「昨年の冬、正確には誕生日の一日前。二人だけで誕生日をした時の事だ。アイツは…親に内緒で私を遊園地に連れて行ってくれた」
そう言えばそんな事言ってたなぁ…
「結果的には一日予定より早く帰国した両親に外出がバレてしまったのだがな…」
「そう言えば雅ちゃんはどうして外出してはいけないの?」
ずっと気になっていた。
外に出るくらい良いじゃないかと。
彼らは外で遊びまくっているくせに、と。