私はしがない執事です
「あやつはその後、私を追い出し何を語ったのかは知らん。だが、その事態を“今後外出を禁ずる”のお叱り程度で留めてくれたのだ」
新城さん口上手いもんなぁ…
凄いな、あの人。
「妾はあの日、新城に告白したのだ。しかし、このネックレスを渡され、笑顔を返されるだけで取り合ってもらえんかった」
『私にとってお嬢様はお嬢様です』――そう言われたらしい。
「それなのに…瑠璃殿にはきちんと答えたかと思うと………」
雅ちゃんはあの時、涙していた。
今、雅ちゃんの気持ちが分かった。
「雅ちゃん、聞いて?
アレは新城さんの嘘だから…ね?」