私はしがない執事です


「気遣わなくてもよい」




いや、気遣ってないんですけど。本心なんですけど。




「見れば分かる。今までのメイドより新城は瑠璃殿にアタックしておる。態度も違う。妾も―――瑠璃なら分かる」



「雅ちゃん止めて!?」




本当に違うのに。
どうしたら伝わるのだろうか?




「瑠璃殿も…満更ではないのだろう?」



「嫌です。新城さんは有り得ませんから。安心して下さい」




あんなエロ執事お断りだ。考えただけで寒気がする。




「あ奴はああ見えて優しいし、気配りは出来るし、美形だぞ?」



「それは知ってますよ」



「なら……」



「でも、私は新城さんを好きにはなりませんし、なれません」



「何故じゃ?」




エロくて変態。
本当どうしようもない。


だけど私はそこがダメだと言ってるんじゃない。いや、ダメだけど一番はそこではないんだ。




「彼は本音で接しないからです」




そう、コレだ。
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