私はしがない執事です


「新城さんは、いつも身の入っていない言葉を私に使っているだけです」




本気で彼が私を口説いたなら。
私だってロボットじゃない。人間なのだ。


彼を少しは意識するはずだ。



だけれど私はどうしてもそうなれない。いや、ならない。




「新城さんは私に対して全くそういった感情はありませんよ」




だから、泣かないで…
そんなに落ち込まないで…
雅ちゃん。


私は目尻にたまった彼女の涙を拭った。




「瑠璃……すまぬ……かたじけない」




本当、雅ちゃんって江戸時代とかのお嬢様みたいだ。
“かたじけない”なんて言わないよね、普通。


面白いよなぁ……
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