私はしがない執事です
とりあえず生活に必要な荷物を運んでいるため、ヨロヨロしながら、インターホンを鳴らす。
「しんど……」
私の息は絶え絶えだ。
そうしていくつか深呼吸をした後、低い落ち着いた声が聞こえた。
『どちら様でしょうか?』
私は息を整え、笑顔を作り言った。
「今回こちらに配属することになりました、深海(シンカイ)瑠璃と申します」
『お待ちしておりました。では中へ』
そう言ってギギギ…と音を立てながら重い鉄の門が開いていく。
すると黒い車が一台止まってあった。
……乗れってことだよね。