私はしがない執事です

町へお出かけ



「まだか!?まだなのか!?」




翌朝。
キッチンで新城さんと共にお弁当の準備をする私の傍で可愛く駄々をこねているのは、勿論お嬢様。




「お嬢様お待ち下さい。今は夏です。ですから、三段弁当を持っていくので準備が要るのです」




夏関係ねーよ。


段々私の語尾が汚くなってきた。…ダメだ。庶民丸出しはダメだ。
この道でやりくりすると決めた日からせっかく訓練して綺麗な日本語を話せるようになったというのに。


まずは日頃から心がけることが大事なんだ。


平常心平常心…


今日のお嬢様の格好は長いピンクのワンピースに白い帽子。絵に描いたような格好だ。
新城さんもいつもよりラフな格好でワイシャツにスーツズボンだから突っ込む所は無い。



だからどんな会話をしようと私は…




「おのれ新城…
妾の大好きなプチトマトが一個少ないのは何故だ!?」



「私が食べました」



「逝ってしまえ!!」




……言い過ぎだ、と言うのを私はなんとかこらえた。
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