私はしがない執事です
車に乗ると、運転席には白い手袋をし、黒のスーツを着た、いかにも私執事ですっていう人が乗っていた。
「時間ピッタリでしたね。」
うわぁ…綺麗な笑顔。
男性にこの表現は間違っているのかもしれないが、まさしくピッタリの表現だ。
決して女らしいというわけではなく、透き通った鼻筋に少し茶色がかった髪。切れ長の目。
だけどどこか優しい笑顔をもつ愛嬌のある人だ。
………ん?
待てよ、この声…
「先程応対した方って貴方ですか?」
いや、おかしいのは自分でも分かってるんだけども。
分かってるんだけども。