私はしがない執事です
「妾を差し置いて何を語っておるのだ!!
妾にも話せ!構え!」
私と新城さんが話していると、またまた大人しくしていた雅ちゃんが騒ぎ出した。
……困ったものだ。
「お嬢様、準備が出来ました。そろそろ出発しましょうか」
不機嫌な雅ちゃんに構わず新城さんは見事な切り返し。流石だ。手慣れてる。
「待ちくたびれたぞ!
さぁ、行くぞ!」
グイグイと私達二人を連れて行くお嬢様の無邪気さは19とは思えない幼さである。
しかし、ズンズン進むお嬢様は玄関でハタと足を止めた。
「どうしたの、雅ちゃん?」
不思議に思った私は、少し様子のおかしい雅ちゃんに尋ねた。