私はしがない執事です
尋ねようと思ったのだが、私の言葉はお嬢様の発言により遮られてしまった。
「ええいまどろっこしい!!こうなったら妾(ワラワ)は裸足で行く!!」
「お嬢様、それならいっそ原始時代へ行きなさい」
すかさず毒舌的な突っ込みをする新城さん。
変わらないなぁ…
私の中に湧き上がる感情もこの二人を見ていると自分がバカらしくなる。
私は旦那様達が帰って来たら、いつか言ってやろうと決めていることがある。
――たとえ旦那様でも赦せないのだ。
「のぅのぅ、瑠璃!
お父様には黙っててくれぬか?
カメラは…さすがに無いだろうし。あの人達も遊びたいだろうから…だから、」
私に必死に懇願する雅ちゃんを遮って、私はニコリと微笑んで言った。
「私が提案したんだから、私が主犯よ。だから黙っててね?」
「うむ!」
そう微笑んだ後、彼女は原始時代へ行くぞ!と高らかに宣言し歩き出したのだった。