私はしがない執事です


聞いてみた。




「あぁ、妾の婚約者だ。名前を五十嵐椿。女みたいな名前だが…まぁ、奴にはピッタリの名前だ」




へぇー…椿が似合う男子、か…
草食男子だと謳われる現代の世に貴重だなぁ…
花の男子だなんて。


あれ?聞いたことない?


私も無いよ。
だけど、私はそんな事よりそのお花男子に興味が湧いているのだ。




「五十嵐さんも雅ちゃんと同い年なの?」




「うむ。奴も今19だ。
だが、誕生日は奴の方が早い。私が12月で奴は11月。一カ月違いなんだ」




へぇー…雅ちゃんの誕生日は12月なのか…
白い肌だから、冬が似合うとは思ってたけど。でも、私のイメージ的には2月とかだと思ってた。何となく。




「雅ちゃんは何日生まれなの?」




「妾の誕生日はクリスマスの日じゃ!
そしてその日を過ぎれば妾は20。椿と晴れて結婚だ」




そう言う雅ちゃんは、無意識なのか、少し微笑みながら首元の赤いペンダントをいじっていた。
< 36 / 125 >

この作品をシェア

pagetop