私はしがない執事です
「ふーん…雅ちゃんって五十嵐さんが好きなの?」
私は意地悪く聞いてみた。
「な、な、な、何を言うか!そ、それは奴は婚約者でだな…友達でだな…旦那でだな…」
あー…このお嬢様はどうやら恋愛ベタらしい。
今時こんな反応をする人珍しくて新鮮なんだよなぁ…
動揺し過ぎてめちゃくちゃな事言ってるし。
「お嬢様、到着しましたよ。まずはどこから行きましょうか?」
どうやら私達がガールズトークをしている間に目的地へ到着したらしい。
もう園内の駐車場に来ていた。
「おおお、おう」
未だ動揺したまま。
新城さんにはバレバレだろう。
素直だなぁ。
雅ちゃんは右手と右足を同時に前に出しながら歩いていた。