私はしがない執事です
「瑠璃……?
何だか気が立ってるようだが、大丈夫か?」
心配そうな顔をされてしまった。
……これじゃあダメだよなぁ。
私もまだまだだ。お嬢様にこんな顔させてしまうだなんて。彼女はせっかく楽しみにしているというのに。
「あ、大丈夫だよ。ちょっとボーっとしてただけだから」
私はニコッと笑ってみせた。
「お嬢様気にしなくて良いですよ。彼女は私とデートで緊張してるんです」
誰がだ。
三人デートなんて修羅場すぎるだろ。
「そ、そうなのか!?」
真に受けないで雅ちゃん。
「阿呆は放っておいてほら、アライグマ。可愛いですねぇ」
前方を指差し、私は動物鑑賞に励むことにした。