私はしがない執事です


「……ごめんなさい」




私は頭を下げ、真っ先に口を開いた。




「私、全然雅ちゃんの都合とか考えてなくて……新城さんの気持ちも…分からずに…」




勝手な自分の言い分ばかり。
雅ちゃんに喜んでもらいたかったけれど、それは雅ちゃんにとって有り難迷惑だったのだ。
だから雅ちゃんはあんなにも渋っていた。


無視してレジまでぬいぐるみを持って行った私を彼女はどんな思いで見つめていたんだろう?




「私、コレ返して来ます」




まだ店の前にいるし、さっき買ったばかりだ。
きっと返品出来るだろう。


そうして私がクルリと向きを変えた瞬間だった。
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