私はしがない執事です
「誘いやすかったからです。実際一人じゃあ人手不足でしょう?」
いや、理論上はそうだけれども…
「ほとんど私、する事ないんですけど……」
「いや、一番重要な事を瑠璃さんはしてくれていますよ」
重要な事……?
「お嬢様の話し相手です」
男の私では限界もありますから…と新城さんは言う。
「今までの方達はお嬢様を“お屋敷の姫”としか見ていなかった。“黒崎雅”を見ていなかったんです」
新城さんはそう、語った。
「だからお嬢様が露出しようとすると怒り方はいつも決まって“お嬢様がそんなはしたない事するもんではありません”なんです」
でも、貴女は違った。だから懐いたのでしょう。と新城さんは語るとティーをもう一杯、口にふくんだ。
なんだかんだでこう見えてしっかり雅ちゃんを見ているんだなぁ…